歯周外科治療(保険適用外)
歯周外科治療(保険適用外)
歯肉弁根尖側移動術 – Apically Positioned Flap surgery –
歯周病の原因菌が滞在する歯周ポケットをなくす手術方法です。この方法の利点は、付着歯肉(細菌が侵入しにくい歯肉)を獲得できる点です。歯周ポケットが減少しているので、歯周病になりにくい環境になります。
欠点としては、歯根(歯の根の部分)が露出する為に、その部分が虫歯になりやすくなるので、手術後は、虫歯予防として歯ブラシやフッ素の応用が必須となります。
改良型ウィッドマンフラップ手術 – Modified Widman Flap surgery –
通常の歯周病治療では、深い歯周ポケットがある場合、歯肉で覆われている患部を目視で確認できる範囲には限界があり、歯石やバイオフィルム(原因となる細菌層)の完全な除去ができず、取り残しが発生してしまいます。この手術では、歯肉を開く事により直視下で、歯石やバイオフィルムを除去でき確実性が増します。
しかし、手術後の患部の歯肉は、上皮性付着(歯と結合しておらず細菌が侵入しやすい状態)となるため、2〜3ヶ月に1度の歯科衛生士によるクリーニングを受け、しっかりとメンテナンスを行わなければ歯周病が悪化する恐れがあります。
※症状や治療の内容によっては保険の適用が可能ですので、担当医にご相談ください。
組織誘導再生術 – Guided Tissue Regeneration –
歯周病により失われた骨と歯肉の間に、人工膜を挿入します。そうすることにより空洞ができ、この部分に治癒力で骨が再生します。
歯肉弁根尖側移動術や改良型ウィッドマンフラップ手術と異なり骨の再生が促せるので、歯周病に対してより安心・安全な環境を作る事が可能になります。
歯周再生療法
エムドゲインまたはGEM21という歯周組織再生材料を使用します。歯肉を開いて、歯根面を清掃したうえでこの材料を塗布します。
3ヶ月間ぐらい待つと歯周組織が再生してきます。ただし、適応症が限られている為、術前にしっかりとした診査・診断が必要となります。
遊離歯肉移植術 – Free Gingival Graft –
歯肉が下がってしまい、歯根面が露出してくると、虫歯になりやすくなったり歯ブラシすると痛みを伴うようになります。
その部分に、口蓋(上顎の内側の固い歯肉)から歯肉を切除して移植する手術です。
結合組織移植術 – Connective Tissue Graft –
Free Gingival Graft 遊離歯肉移植術と同様に口蓋の部分から歯肉を移植する方法です。上皮、結合組織、骨膜の3種からなる歯肉の部分の結合組織だけを移植します。
遊離歯肉移植術より難易度は上がりますが、結合組織だけの移植となるので上皮の色(歯肉の色)に左右されずに仕上がりがきれいになります。